2020年12月23日

【「Fediverse Advent Calendar 2020」特別寄稿】大手鯖になじめなかったヘタレ鯖缶のこれまでとこれから

 本記事は、「Fediverse Advent Calendar 2020」第2会場の23日目の記事です。

Mastodon

 一足早いのですが、ベリー・クルシミマス…じゃなかった、メリー・クリスマス!

 今回は、わたくし・テルミナトレードマーク(TM)が2017年4月に初めてMastodonに触れてから、小規模なコミュニティを立ち上げ、現在に至るまでどのようにFediverseと関わってきたか、そして今後Fediverseとどう関わって行くのかについて述べて参りたいと思います。

 今回は、ある程度Fediverse(特にMastodon)に馴染んでいる方を対象として書いております。そのため、基本的な用語の説明は省略しております。Fediverseがどんなものなのかを知りたい方は、「Fediverse Advent Calendar 2020」に投稿されているほかの方の記事を是非ご一読願います。

 なお、私は本稿以外にも1本、「Fediverse Advent Calendar 2020」に寄稿しております。ご興味がある方は、是非そちらもご覧くださいませ。

 では本題に入ります。


1. 自己紹介

 私はテルミナトレードマーク(TM)と申します。

 現在、私は「Mastodon」を用いて3カ所にFediverseのサーバを立ち上げています。

  • Telmina One
    • 私専用のいわゆるお一人様サーバ
  • LIBERA TOKYO
    • リベラル(自由主義)な政治思想を持つ方を対象としたコミュニティ
  • まいった〜
    • あえて大手Fediverseコミュニティをブロックした小規模コミュニティ

 そのうち、「Telmina One」(@Telmina@one.telmina.com)をメインの活動場所とし、普段はそちらから発言をおこなっています。

 最初に私がFediverse(Mastodon)に出会ったのは2017年4月ですが、当時のアカウントは現存せず、現在私が保持するアカウントで最古のものは、2019年4月にサーバ設置と同時に使用開始している「@Telmina@one.telmina.com」となります。

2. Mastodonとの出会い - 2017年4月

 日本でMastodonブームが起きた2017年4月、私は新しいものに飛びつきたい一心で、初めてMastodonに触れました。

 とは言いましても、そのときはまだ自力でサーバを設置しようなどとは思わず、「mastodon.cloud」や「mstdn.jp」といった大手サーバや、あともう1カ所、日本人によって運営されているサーバにユーザ登録しました。

 なお、自分は最初、「mstdn.jp」に登録しようとしていたのですが、サーバが重くなかなか繋がらなかったため、まずは「mastodon.cloud」に登録し、翌日に「mstdn.jp」に登録したように記憶しております。

 「mstdn.jp」にもユーザを登録してから最初の3日間ぐらいは、まるで自分が13年半ほど前に最初にTwitterに触れたときのような、なんとも言えぬ新鮮な感覚を味わいました。タイムラインの流れも速く、ちょっと目を離したらもうついて行けなくなるほどでした。あのわくわく感、久しく味わっていませんでしたし、Mastodonに触れてからもしばらくすると味わえなくなってしまいました。

 しかし、私はせっかく「mstdn.jp」に作ったアカウントを、1週間で放棄してしまいました。理由についてははっきりとは覚えていませんが、あの頃から下ネタが公然と飛び交うようになり、それに対する不快感を抱くようになっていたように記憶しています。

 そのあとは、「mastodon.cloud」や別の日本人運営のサーバに居付き、翌5月には初めて自力で半人前のMastodonサーバを立ち上げるようになります。

 なお、自分がMastodonに触れるようになった2017年4月以降、それまでも微減傾向にあったTwitterへの出現頻度は急落することとなります。とはいえ、そのときは今ほどにはTwitterに不満があったわけではなく、単純にMastodonのほうが面白いと感じていたからであったように記憶しています。

3. 初めての自鯖設置と挫折 - 2017年

 2017年5月1日に、自分は初めて自分のサーバを設置しました。

 ドメイン取得が面倒でしたので、既存のドメインを活かし、「mastodon.e217.net」というサーバを立ち上げました。

 当初右も左もわからなかった私は、主に下記の記事を参考にしました。

 もちろん私は、この記事を参考に、「さくらのVPS」を契約し、言われるがままにDocker構成でサーバを立ち上げました。

 当時はまだ「さくらのVPS」にはスタートアップスクリプト「Mastodon」は存在せず、しかも私は非Docker構成で構築するすべも知らなかったので、Docker構成以外の選択肢はありませんでした。

 しかし、やはり生半可な知識でテキトーに運営していたのが災いしたのか、自分が記憶しているだけでも最低2回はデータベースを爆破しています。一応バックアップは取っていたはずなのですが、その戻し方を知らないというどうしようもない状況でした。…もちろん今はそんなことありませんけどね(汗)。

 なお、「mastodon.e217.net」は運営開始からちょうど5ヶ月となる2017年9月30日に正式に閉鎖し、その後は自分の主たる活動場所は初代お一人様サーバ「tl.telmina.com」に移ることとなります。…もっとも、その初代お一人様サーバもまだDocker構成だったんですけどね。

 余談ですが、「mastodon.e217.net」は現在、「mstdn.jp」のドメインブロック対象に含まれています。理由は不明です。とはいえ、自分がそこを閉鎖するときに特にそれを意識することはありませんでしたので、閉鎖後にブロックされたものと思われます。

 自分でサーバを持つようになった2017年5月以降も、ほかの方が運営するサーバの中で興味を持ったところにユーザ登録したり、自分でも特定のテーマを持ったコミュニティを立ち上げたりして、徐々にMastodonの使い方を覚えて行きました。

 しかし、それと同時に、自分が大手と呼ばれるところとは肌が合わないということも実感してゆきました。既に4月の時点で「mstdn.jp」からは事実上身を引いていましたが、「mastodon.cloud」とも肌が合わず、また当時企業によって運営されていたところ(friends.nico や pawoo.net)ともどうもなじめそうな気がせず、結局自分は現在に至るまで、個人運営の、それも比較的中小規模のところを中心に出入りすることとなります。

4. サーバ運営失敗を乗り越えて - 2018年

 自分にとって転機となったのは、2017年8月に、現在運営している3代目リベラル専用Mastodonサーバ「LIBERA TOKYO」の前身のさらに前身となる初代「LIBERA」を、日本におけるMastodon黎明期にMastodonユーザの裾野を広げることに多大なる貢献をしたムトーホスティングサービスの有料プランを利用して立ち上げたことです。

 しかし、「【「Fediverse Advent Calendar 2020」特別寄稿】特定の思想信条を主題とするコミュニティを運営するに当たって」でも述べておりますように、初っぱなから運営妨害に見舞われました。

 2017年11月には、Twitterのアカウントを凍結されたフェミニストの方とその取り巻きと思われる方々が大量に「LIBERA」に流入し、一時期活況を呈していました。しかし、当時ムトーに対する支払いを最小限に圧縮するためにデータ保存容量も今から考えるとあり得ないぐらいに小さくしてしまい、せっかく投稿したトゥートも数ヶ月後には消えるという事態に陥ってしまいました。

 加えて、当時の自分の運営もまずかったようで、次第に彼らは「LIBERA」から離れて行きました。

 まあ、あのときは連合タイムラインがきな臭いことになっていましたので、通報もバシバシ飛び交っていました。自分はなるべく公平に対処したつもりですが、それをお気に召さなかった方もいらっしゃったようです。

 2018年3月11日(この日付は狙いました)に2代目「LIBERA S2」を開設したときに、当時の「LIBERA」のユーザさんに引っ越しを促しましたが、残念ながら彼らの中からは誰一人として「LIBERA S2」に引っ越した人はいませんでした。

 そのときの失敗を教訓に、「LIBERA S2」では利用規約もしっかりと定め、当初Docker構成でしたが後に非Docker構成に移行することで、初期の頃のようにデータベースを爆破する危険性をほぼ避けることが出来るようになりました。現在の「LIBERA TOKYO」に繋がる私のサーバ運営方針は、この頃に固まって行きました。

 当時は、「LIBERA S2」を最低3年は運営する気でいたのですが、とある事情によりそれを断念せざるを得なくなりました。理由につきましては下記の記事にて触れております。

5. 隠れ家の必要性 - 2019年〜2020年

 その後、自分はお一人様サーバを引っ越す事態に追い込まれます。

 2019年4月に、お一人様サーバ「tl.telmina.com」のMastodon本体のバージョンアップを実行しようとしたのですが、なぜか途中で失敗してしまい、何度再挑戦してもうまくゆきません。

 しかも、(もうはっきりとは覚えていませんが)それ以外の不具合もこのサーバには発生していました。

 そこで、同年5月1日より、現行お一人様サーバである「Telmina One」の運営を開始し、その後「tl.telmina.com」を廃止する方針を打ち立てました。

 実際には、「Telmina One」は2019年4月29日(月)から運営を開始しています。前日の28日に新潟に行く予定が、上越新幹線の停電の影響で不可能になってしまい、仕方がないのでその日にサーバ開設準備を前倒しし、29日から運営を開始することにしたのです。まあ、せっかくなので、新しいサーバに上越新幹線の新型車両E7系に連結されているグランクラスの写真を入れたいというのもあったんですけどね…。

 開設を前倒しした「Telmina One」は無事始動し、何度かトラブルに見舞われながらも現在に至るまで続いています。最初から非Docker構成にしたのも、安定性向上に寄与しています(といってもさくらのVPSスタートアップスクリプト「Mastodon」を用いたのだが…)。

 その後、私は自分と思想信条が近いとねぢ氏が運営する「箕面どん」、Mastodonの古参ユーザの一人でもあるまめも氏が運営していた「もりゃきどん」、そしてMastodonの内部を熟知しているのえる氏による「Fedibird」に参加することになります。

 この3カ所に共通して言えるのは、「いわゆる大手ではない」ということ。「箕面どん」は良質なコミュニティを当初から目指していましたし、「もりゃきどん」は(どうやらおまけ要素だったようですが)あえて大手サーバをドメインブロックすることで良質な雰囲気を醸成していました。「Fedibird」はのえる氏運営ということで知名度は高いのですが、あえてローカルタイムラインを廃したり、独自機能を実装したりと、大手と呼ばれるサーバとは一線を画した運営がなされています。

 その中でも特に自分にとって居心地がよかったのは、残念ながら今年の七夕の日に閉鎖されてしまった「もりゃきどん」です。あそこは小規模ではあったものの良質なユーザに恵まれ、メインのアカウントのタイムラインが殺伐としていたときでも、落ち着いて過ごすことが出来ました。そのときの体験は、「もりゃきどん」閉鎖前の2020年6月27日にプレオープン、7月11日にグランドオープンした「まいった〜」の設置にも繋がっています。…もっとも、「まいった〜」そのものは当初の計画ほどには活用されていませんけどね。まあ、管理者からしてほとんど使っていませんから仕方ないのですが。

 本記事で、標題に「大手鯖になじめなかった」と書いておりますが、そんな自分にとっては、「箕面どん」や「まいった〜」、そして惜しまれつつ終息した「もりゃきどん」のような存在が絶対に必要なのです。適切に管理されていて、参加者も節度を持って参加しているコミュニティは、サロンにでもいるような居心地を味わえます。また、「Fedibird」にしても、あえてローカルタイムラインを廃することで、ローカルタイムラインチャットが活発なコミュニティの一部にあるような、特定の常連がやたらと幅をきかせるようなことを避けられています。

 自分の場合は極端ですが、Fediverse(Mastodonに限らない)に参加するなら、モチベーションの維持のためにも、メインのアカウントのほかに、交流関係を絞った隠れ家的なアカウントも持った方がいいです。出来ればこの二つは管理者が別であるほうがいいですね。

6. さらなるコミュニティの安定運用に向けて - 2021年

 12月16日に、私はブログにこんなことを書きました。

 先述の「箕面どん」が、サーバOS入れ替えを伴う長期メンテナンスを実施していて、5日間ほど停止していました。「箕面どん」ではそのときに、サーバOSをCentOSからUbuntuに入れ替えています。

 私が現在運営している3カ所のMastodonサーバは、いずれも仮想サーバのOSがCentOSとなっていますが、今後のことを考えると、それらのサーバのOSもいずれそう遠くない将来Ubuntuに置き換えなければならないと思っています。

 記事中にも書きましたが、2021年の目標の一つに「Ubuntu上にMastodonコミュニティを立てる」ことを挙げることがほぼ確定しています。

 もっとも、現在運営しているサーバのどれ一つとして潰したくないので、最初はそれらのサーバの移行をいきなりおこなうことはせず、新規にコミュニティを立ち上げるときにコツをつかみ、その後現在運営中のサーバを順次移行する方針をとりたいと思っています。

 ですので、2021年は私が運営するサーバは4カ所となる予定です。とはいえ、その4カ所目のテーマはまだ完全に白紙状態ですが。

 Mastodonに加えて、2021年にはさらに、Fediverseの一員として存在しているブログエンジンの導入も検討したいと思います。

 実は本年中に「WriteFreely」の試験導入を検討していたのですが、残念ながら諸般の事情でその時間をとれなくなってしまいました。これ、日本語による情報がほとんどなく、なかなか気軽に手が伸びないんですよね…。

7. おわりに

 ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

 これまでの自分の体験を中心に書き連ねてきましたので、おそらくFediverseに参加されている方の大多数とは違った視点になっているのではなかろうかと思います。

 何度も述べるとおり、私は大手のサーバに馴染むことが出来ませんでした。しかしそれ故に、Fediverseの世界に居付いています。Fediverseには、参加者のスタイルによって様々な選択肢がありますし、選択肢がなければ、「【「Fediverse Advent Calendar 2020」特別寄稿】特定の思想信条を主題とするコミュニティを運営するに当たって」で既に述べているように自分で選択肢を作ってしまうという手もあります。あまり認知されていませんが、私は「まいった〜」という隠れ家的なコミュニティも用意しています。

 私は今後も、自分がやりたいようにFediverseに関わり続けて行くことになると思います。

 私はFediverseのメインストリームになることは出来ませんし、またその気もありません。ただ、自分の居場所として、そして、外界との接点として、今後もFediverseを活用し続けたいと思います。

 そんな私と関わってもよいという方は、是非、私のMastodonアカウント「@Telmina@one.telmina.com」をフォローしてくださいませ。

 本稿が、Fediverseの発展の一助となれば幸いです。

posted by Telmina at 00:00| Comment(0) | Mastodon
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