昨今、分散型SNS界隈では、Mastodon大手サーバ「mstdn.jp」および「mastodon.cloud」の閉鎖騒動が話題になっておりました。
もっとも、これらについては、複数の会社から運営引き継ぎの名乗りがあったそうです。こちらについては、今後の展開を見守ることにしようと思います。
さて、今回の表題の件は本当にサービスが終了してしまったというものです。
【拡散希望】https://t.co/9sSjje4rNDのダウンの原因は以下だそうです。
− basictomonokai (@basictomonokai) May 31, 2020
「すいません。ドメインが失効してしまったようです。再取得もできないようで、このままサービス停止にさせてもらうしか、という状況のようでした。」(主様からの情報)
今回、突如としてサービス終了が告げられた「mstdn.fm」もまた、日本におけるMastodon黎明期に立てられたサーバです。「mstdn.jp」とよく似た名前ですが運営者は別で、一時期は私もそこにアカウントを設置しておりました。
「mstdn.fm」は、「mstdn.jp」ともまた異なる落ち着いた雰囲気のあるサーバだったように記憶しております。それでいてユーザ数もそれなりにあり、まさに中堅クラスのMastodonサーバの代表格のような存在でした。
しかしこのサーバ、ある時期以降、Mastodon本体のアップデートに追随しなくなり、ずいぶんと古いバージョンのまま長期間運営されていたように思います。
先述の通り、私は一時期(2017年5月頃から約2年間)「mstdn.fm」にアカウントを保持しておりましたが、主に次の2点の理由により、「箕面どん」へのアカウント作成と引き換えになる形でそこからアカウントを引き払いました。
- 古いバージョンのままだとこちらがやりたいことをできなくなる
- 一部の悪意あるアカウントへの対応が不適切だった
とはいえ、自分がアカウントを引き払ったあとも、「mstdn.fm」は当初からあまり変わらない姿で存在し続けました。良くも悪くも、運営者の性格があまり色濃くでていなかったということもあり、変な村社会みたいな状況にも陥らずに済んでいたと思います。
しかし、数日前から、私が運営するサーバ2カ所において、Sidekiqの再試行ジョブのログの中に「mstdn.fm」という文字列が頻出するようになりました。最初は一時的なものかと思い放っておいたのですが、その後もこの状況は収まらないと思っていた矢先に、突然のサービス終了の話が出てきました。
既に1年近く前にアカウントを引き払っているとは言え、Mastodon黎明期の頃から散々あそこのお世話になっていた自分は、「mstdn.fm」がこんな終わり方をするなど、想像だにできていませんでした。
今回はドメイン失効が理由となっています。ドメイン失効が理由で提供継続が断念されたサービスはいくつもあろうかと思いますが、インターネット上のサービスを熟知している人が運営してきたサービスであっても例外ではないということを、改めて思い知らされました。
自分も過去には、「mstdn.fm」と比べればはるかに影響は小さいものの、不慮の事故により運営終了を余儀なくされたMastodonのサーバはいくつかあります。また、Mastodon以外にも、今年の3月に誤って運営中のブログのデータベースを消去してしまうという取り返しのつかないことをしています(まあそのおかげでここにブログを作ったのではあるが)。
やはり、他人様が利用するコンテンツを提供するに当たっては、常に細心の注意を払わなければならない。昨今トラブル続きの自分のMastodonサーバ2カ所を見ながら、そして今回の一件を考えながら、その気持ちを強くするのでした…。